開発秘話2(2-1)

(株)東京乳母車は今年4月で創業26年になります。

「なぜ、今、乳母車なのか」をうまくいえずに25年経ってしまったという気がします。

「子どもにとってカゴの中は安全・安心の空間である乳母車のほうがいいはず」というシンプルな理由で始めたもののすんなり受け入れられたとはいえませんでした。「ベビーカーは、折り畳み式でキャスター付きが当たり前」という常識の壁を破るのは大変でした。当時、ある育児雑誌に広告を出すために電話をしたら「乳母車?価格が10万円以上? ハハハ」と笑われてしまったこともあります。

でも「可愛い」という点がチャームポイントになり、ほとんどそれだけで買ってくれる人たちが出てきました。そして「使ってみたら想像以上に便利。今までのベビーカーって何だったんだろう」とまでいってくれる人もありました。ちょっとした思い込みさえなくせば「育児は楽しい」と感じるはずです。

最近はやっと「街で見たことがある」、「知り合いで持っている人がいる」「女優のAさんが使っているアレですよね」といわれるようになりました。そこそこ認知されてきた気がします。

そうした中で昨年末にあるお客さまからメールを頂きました。なんと「20年前、双子のために購入したプスプスのメンテナンスをしたい」というのです。20年前に生まれた双子のお子さんの一人が出産され、昔、自分が乗っていた乳母車を使いたいとのことでした。家内も私も大喜びです。

2人で開発を進めている頃、「粗大ごみにはしたくない。滅多なことでは壊れないもの、できれば親子2代で使えるようなものしたいね」と話をしていました。それが実現したわけです。

保存状態が良かったのはもちろんですが、ただ頑丈なだけでは親子2代の乳母車にはなりません。「大事にとっておきたい」という気持ちがあったからこそ保管してくださったに違いありません。それがうれしいです。

「今は使い捨ての時代。自転車や自動車だって20年は持たないのに、乳母車(ベビーカー)が20年も持ってどうする」という声が聞こえてきそうです。まあ、確かにそうなんですが、カゴの居住性と家の中で使える便利さ追求して改良を続けていたらいつの間にか「丈夫で長持ち」という昭和のキャッチフレーズみたいになりました。そういう所は、ある意味で時代に逆行するビジネスプランかもしれません。。

 

そんな中で、最近、「サステイナビリティ(持続可能性)」という言葉が目につくようになりました。資源を無駄にせず、まだ使えるものは修理をして再利用するという考え方は、まさに東京乳母車の基本理念。

・思い出が詰まった乳母車を捨てる気になれず、今でも部屋の隅に置いてあります

・リサイクルショップに出そうとしたら子どもが泣き出してしまった

こういう話を聞くと製品の寿命を経済性だけで議論していいのかなと思います。

おじいさんが使っていた腕時計や母の形見の手鏡のが懐かしいように、うっすらとした子供時代の記憶を呼び起こす思い出の乳母車を作っていきたいと思います。

20年前の双子ちゃん

成人した二人

 

 

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